生徒さんを指導するのに最も大切なものは、学力ではありません。なんだと思いますか?

生徒さんに、何かして「ほしい」ではなく何かして「あげたい」という気持ちです。

もちろん指導マニュアルはありますし。また、基本的には毎回作成される授業計画書に沿って授業をしてもらいます。

授業計画書はそれぞれの生徒さんごとに、数学の次のこの場所がわからないだろうなとか、そろそろ英語の単元テストがあるだろうな、などの予想と、次の定期テストへの対策計画に基づいてつくられます。

しかし、計画通りに授業が進まない(進めない)なんてことは日常茶飯事です。

生徒さんが、翌日単元テストがあることを忘れていたとか、こちらの予想外のところで授業で分からないとこがあったとか、あるいは逆に授業でやる予定だったところだけど生徒さんがこちらの予想以上に理解していてわざわざ授業でやる必要がないとか、または明日までの数学の宿題があるんだけどまったく手も足も出なくて困っている、なんて状況には対応するようにしています。

わざわざ1:1の完全個別指導の井出進学塾を選んでくれたご家庭ですから当然です (オーダーメードカリキュラムなどの名前につられて、きまった教材しかやってくれない塾を選んだご家庭のお子さんは,かわいそうですね)。

ただし、こういう場合にはその場で専任のものに言ってもらえば、あなたにお任せしても大丈夫なようでしたらそのままお任せしますし、きつそうだったら別の対策を立てますので、心配しないでください。

何を言いたいのかというと、あなたにやってもらいたいことは、「生徒さんの声を拾い上げる」ことだということです。

自分でどこがどのようにわからないかわかっている生徒は塾になんか来ません。それどころかそういう生徒は成績最上位層でしょう。

生徒さんが「どこがわからないのか」「どのようにわからないのか」。またさらには、自分が「どのようにしたいのか」「どのようになりたいのか」拾い上げていってください。

相手のことを何にも考えずに、自分の持っている「問題解決のツール」を誇示することは愚かしいです。

相手の立場に立って、相手といっしょに、何が問題なのかを探っていく。そしてこれができたとき、自然と解決法はいくつも思い付いているはずです。もっと言えばすでに解決しています。

もちろん、最初から完璧にすべてをこなすことは無理です。経験でいろいろなノウハウは持っていますが、私でも、今でもうまくいかないときはあります。きっと、スタッフ同士よくコミュニケーションをとりながら塾総体としてのレベルを上げていく、そういう類の話だと思います。私自身、若い先生の意見を聞いて、その感性は自分からは出てこなかったな、と思うことがよくあります。

とても楽しくやりがいのある仕事です。あなたも挑戦してみませんか?

 

文;井出進学塾塾長 井出真歩